【3月2日 AFP】香港(Hong Kong)政庁は27日、酒類に対する40%の関税を撤廃すると発表した。業界関係者は、香港が国際的なワイン取引の拠点となり、中国本土で急速に拡大するワイン需要に伴う利益拡大を期待している。

■業界関係者は歓迎

 香港のワイン・酒類業界団体の代表で英ディアジオ(Diageo)とLVMHの洋酒部門モエ・ヘネシー(Moet Hennessy)の合弁会社を率いるBoris de Vroomen氏は、「ロンドン(London)、ニューヨーク(New York)に並ぶ国際的なワイン市場を目指すという香港の固い決意を世界に表明したことになる」と指摘。「香港は国際拠点に必要なすべてを備えていたが、唯一の障害が関税だった」

「ロンドンで取引されている高級ワインの4割は香港に向けて販売されているにもかかわらず、保管はロンドンで行われている。そのため香港は何の利益も得ていない」(Vroomen氏)

 アジアのワイン消費量は近年急増しており、また今後も伸びが予想されている。

 De Vroomen氏は中国の輸入ワイン消費量が現在の200万ケースから2017年までには約5000万ケースに増加するとみている。

 関税撤廃を受けて英競売会社ボナムス(Bonhams)は、香港でおよそ10年ぶりとなるワインの競売を行うと発表した。「最高級ワインの取引・収集において香港は世界有数の市場として成長を遂げた。関税撤廃はワイン取引の新たな局面を開くだろう」(同社ワイン部門責任者)

 また、香港に支店を持つ英ワイン販売ベリー・ブラザーズ&ラッド(Berry Bros and Rudd)は、今回の決定により「競争が激化する」とみる。「香港は、ワイン1本の価格がアジアのどこよりも安い。そのため中国本土向けを中心とした輸出の重要な拠点になるだろう」(Nicholas Pegna香港支店長)

 世界最大級のワイン見本市ヴィネクスポ(Vinexpo)のために行われた調査では、中国は2010年までに世界で10指に入るワイン消費国となる。

 香港の曾俊華(John Tsang)財政長官によると酒類の関税撤廃による歳入の減少は1年で5億6000万香港ドル(約75億円)になる見通しだが、ワインの取引と保管による収益増は年間40億香港ドル(約530億円)と見込まれ、さらに観光業界への波及も期待されている。(c)AFP