【2月29日 AFP】28日の英米両国の原油先物相場は、米国の2007年第4四半期の実質国内総生産(GDP、改定値)が予想を下回ったことによるドル安進行を受け急伸、史上最高値を更新した。

 ニューヨーク商業取引所(New York Mercantile ExchangeNYMEX)の原油先物市場は、標準油種の軽質スイート原油(4月分)が前日比2ドル95セント高の1バレル102ドル59セントで引け、終値としては史上最高値を記録した。

 同取引所では、同日午前の取引で一時1バレル102ドル74セントの史上最高値を更新しており、さらに、取引終了後の時間外取引でも102ドル97セントを記録している。

 ロンドン(London)の原油先物市場では、北海ブレント(Brent North Sea)原油(4月分)は、一時1バレル101ドル27セントを記録した後、前日比2ドル63セント高の1バレル100ドル90セントで取引を終了した。

■背景と影響

 原油価格高騰の背景の1つには、ドルが対ユーロ最安値を更新していることがある。28日も1ユーロ=1ドル52セントの対ドル史上最高値を更新した。ドル安が進行することで、ユーロなどの主要通貨から見たドル建て原油に割安感がでたことから原油市場に投資資金が流入、原油価格急騰につながったとみられる。

 米国では、原油価格高騰によってインフレ圧力が高まっており、低迷する景気を刺激するために米連邦準備制度理事会(FRB)の相次ぐ追加利下げにも懸念が強まっている。

 米商務省が28日に発表した、2007年第4四半期の米GDPの改定値は、速報値と同じ年率換算で0.6%増にとどまり、2002年以降最低の数値となった。市場では、速報値からわずかに上方修正され、0.8%増と予想されていた。(c)AFP