【12月3日 AFP】3日の独経済誌ヴィルトシャフツヴォッヘ(WirtschaftsWoche)は、航空機大手エアバス(Airbus)は進行するユーロ高の影響を軽減するため、米国もしくはロシアに製造工場の建設を計画していると報じた。

 同誌によると、エアバスの4番目となる工場の最有力建設予定地として米アラバマ(Alabama)州モビール(Mobile)が挙がっているという。また、エアバスは米軍の空中給油機の受注を目指しているという。

 エアバスの親会社、航空防衛機器大手、欧州航空防衛宇宙会社(EADSEuropean Aeronautic Defence and Space Company)のルイ・ガロワ(Louis Gallois)CEOは前月25日、独週刊紙「ビルト・アム・ゾンターク(Bild am Sonntag)」に対し、対ドルでのユーロ高は長期的に見てエアバスの経営に脅威を与えるものだとの見解を示した。

 エアバス製航空機は、主に欧州市場に重点が置かれており、製造コストもユーロ建てで計算されているが、販売に関しては、他の産業と同様に、ドル建てで行われている。前週には1ユーロ=1.50ドルを記録したユーロ高の現状に対しては、エアバス幹部は同様の懸念を繰り返し示している。

 エアバスは5月、中国・北京(Beijing)の東110キロメートルの天津(Tianjin)市に、欧州以外では初めてとなる製造工場の建設を開始した。同工場は2011年に完成予定となっている。(c)AFP