【11月13日 AFP】反政府デモの武力制圧を巡り経済制裁が強化されているミャンマーで14日、デモ制圧後初の宝石競売が開かれる。

 宝石競売の収入は1回当たり1億ドル(約110億円)を超え、軍政の重要な資金源となっており、ボイコットが呼び掛けられていた。

 世界のルビー産出量の9割を占めるミャンマー産のルビーは、1カラット当たりの価格がダイヤモンドを上回るものもある。前年のクリスティーズ(Christie's)のオークションでは、8.62カラットの同国産ルビーが市場最高額の370万ドル(約4億1000万円)をつけた。これは1カラット当たり42万5000ドル(約4700万円)となる。

 専門家は、経済制裁で資金移動が難しくなっている軍政指導部にとって、単価が高く紙幣より持ち運びが容易な宝石類は非常に重宝だと指摘する。

 今年5回目となる今回の競売は11月26日までの日程で、宝石需要が旺盛で同国最大の顧客となっている隣国中国やタイなどの各国から数千人の業者が集まるとみられる。

 国営企業Myanmar Gems EnterpriseMGE)幹部は今回の競売について「前回8月の競売より規模は大きくなる」と説明。半国営のミャンマータイムズ(Myanmar Times)によると、同社はミャンマー第3位の国営企業で、前年度の売上は3億ドル(約330億円)だったという。

 これまで同国での宝石競売は年2回だったが、外貨の必要性から回数が増えており、2006年には4回開かれた。(c)AFP