【11月1日 AFP】海外で相次ぐ中国製品のリコールに端を発した一斉検査を受け、中国政府は玩具を生産する同国南部の工場約700件の輸出免許を取り消しまたは一時停止とした。

 1日の国営英字紙、中国日報(China Daily)によると、国内最大の玩具輸出拠点である広東(Guangdong)省では工場数百件に対し、施設の改修や生産する製品の品質改善が命じられた。

 広東省では、省内で輸出免許を持つ玩具工場全体の85%に当たる1726件の工場が検査対象となったが、うち1454件で何かしらの欠陥が見つかったと、同省の品質監督当局が明らかにした。

 同省には職員20万人が派遣され、玩具だけでなく医薬品や食料加工品の工場も含め、国内用、輸出用を問わずすべての製品について検査が行われた。監督当局を指揮するLai Tiansheng氏は「一斉検査によって無許可で操業していた多数の工場や販売元を摘発した。しかし、調査活動は長期に及ぶ」と語っている。

 764件の玩具工場では「品質上のさまざま問題」が理由で、輸出免許が一時停止または取り消しとされた。また690件の工場には、施設改修や品質改善が求められた。

 しかし、Lai 氏は「広東省の輸出品の99%は適切だ」と述べ、同省で安全基準を満たしていなかった輸出品は全体の1%に過ぎないと強調した。政府高官らも「メード・イン・チャイナ」に対する信頼が昨年揺らいで以来、繰り返しこの数字を強調している。

 広東省は中国の玩具生産の中心地。2005年には同省だけで119億ドル(約1兆4000億円)相当の玩具を輸出している。(c)AFP