【10月28日 AFP】スペイン南部のエステポナ(Estepona)で開催された通信社の国際会議で26日、柔軟性を持ち、新技術と常に進化する市場を受け入れる用意ができている通信社にとって、未来は明るいとの報告がなされた。

 3日間の日程で開催され26日に閉幕したこの会議には、国内外の通信社約100社の代表者が出席した。

■ビデオや写真の重要性

 メディア研究機関「Innovation」の顧問は、「通信社の市場は混迷しているが、世界の情報システムとしてのバックボーンはまだ残っている」とした上で、「過去12年間にわたるインターネットの普及は、多様な新しい市場を開いた。これは通信社にとって、これまでで最良の出来事」だと主張。

 また、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース(Price Waterhouse Coopers、旧「プライスウォーターハウス」)のメディア専門家は、携帯電話の急速な発展で与えられた大きな機会を駆使するために、通信社は「変革と反応」が必要で、新技術、マルチメディア、またビデオや写真の重要性を受け入れなければならないと指摘した。

「インターネットで情報検索する場合、1つのサイトで平均7分費やすが、文書を読まない傾向が強まっている」と述べるのは、 伊インターネット接続サービスのティスカリ(Tiscali)社の英国支社長。

 フランス通信(AFP)などの国際通信社の一部では、ビデオ部門の強化を始めている。


■スポーツイベントでの取材制限

 会議では、一部のスポーツイベントでの取材制限についても議論が交わされた。

 国際サッカー連盟(International Football FederationFIFA)の広報担当者は、「報道の自由」と「商業の自由」は同じではないと主張する。

 より多くのビデオを制作する通信社は、その必要性について十分理解していなければならない。特に2010年に開催されるサッカーのW杯南アフリカ大会では、大手テレビ局が放映権を競って大金をつぎ込むことになるため、特に考慮しなければならない。(c)AFP