【10月19日 AFP】仏政府の特別年金制度改革に反対する公共交通職員らによる大規模ストライキは19日、2日目に突入した。最大規模の労働総同盟(CGT)は延長に反対しているものの、2労組が24時間のスト延長を決定した。主要労組幹部らは22日に会合を開いて今後の対応を協議する。

 仏国鉄(SNCF)は「19日も終日ダイヤが大幅に乱れる」として利用客に注意を呼び掛けている。

 政府側はストに屈服せず、改革を続行する姿勢だ。

■通勤の足大きく乱れ、レンタル自転車が大活躍

 18日の仏各地では、公共交通機関がほぼストップし、通勤客や観光客らに大きな影響が出た。出勤をあきらめる人が多い中、徒歩や自転車で職場に向かう人々の姿が見られ、今年サービスを開始したセルフサービスのレンタル自転車「ベリブ(Velib)」のレンタル回数は18日だけで過去最高の13万5000件を記録した。

 警察発表によると、仏全土でデモ参加者は15万人に上った。労組側は、パリ1都市のみで2万5000人が参加したとしている。

■美術館休館、演奏会も中止、大統領邸宅は電力供給がストップ

 オルセー美術館(Musee d'Orsay)やルーブル美術館(Louvre)などいくつかの美術館が休館になったほか、オペラ座やコメディ・フランセーズ(Comedie Francaise)では夜の演目が中止された。

 ストには電力会社職員も参加し、サルコジ大統領が使用するベルサイユ(Versailles)宮殿敷地内の政府所有の邸宅「ランテルヌ(La Lanterne)」への電力供給が止まった。

■社会党は政府を攻撃

 大規模ストライキについて、4月の仏大統領選挙でサルコジ大統領に破れた社会党(PS)のセゴレーヌ・ロワイヤル(Segolene Royal)氏は、大統領の選挙公約である「成長と信頼」が「不信と横暴」に変わったことを意味すると述べた。

 また、社会党関係者らは、サルコジ大統領がデモ当日にセシリア(Cecilia Sarkozy)夫人との離婚を発表したのは、報道の影響を弱める意図によるものだとの見方を示している。

■世論はサルコジ大統領を支持

 ただ、19日に発表されたフィガロ(Le Figaro)紙と報道専門TV局LCIの世論調査では、仏国民の67%がサルコジ大統領の提唱する特別年金制度改革に賛成しており、反対は30%にとどまっている。

 この世論調査は17日から18日にかけて、大人916人を対象に行われたもの。ストの期間については40%が「あと数日は続く」と考えており、32%が「長期間におよぶ」、27%が「すぐに終結する」と考えているという。(c)AFP