【10月17日 AFP】(一部更新)人気急上昇中の「セカンドライフ(Second Life)」をはじめ、インターネット上に点在している仮想世界間の垣根を取り払い、ユーザーが自由に行き来できることを目指すプロジェクトがスタートした。

 セカンドライフを運営するリンデンラボ(Linden-Research, Inc.)と、コンピュータ大手のIBMは、カリフォルニア州サンノゼ(San Jose)でVirtual Worlds Expo and Conference(仮想世界展と会議)を開催。仮想世界のユーザーが自分の分身として使用するアニメーションの人格、いわゆる「アバター(avatar)」が複数の仮想世界間を自由に行き来できるようにするための方策などを話し合った。

 現在のシステムでは、アバターは最初に作られた仮想世界でしか通用しない。しかしヘアスタイル、タトゥー(入れ墨)、服装、肌の色など、ユーザーは、自分の分身となるアバターの作成に長時間を費やし、別の仮想世界に入った時に同じことを繰り返すのをいやがるため、仮想世界がユーザーの交流、宣伝、ビジネスなどの手段として可能性を十分に発揮できない障害になっていると見られている。

 仮想世界の先駆けとなったセカンドライフには現在、1000万人が登録。過去1か月で、その10%の住人が、仮想世界を利用している。

 同様に人気のある仮想世界のガイア(Gaia)は日本のアニメキャラクターに着想を得たもの。またエントロピア・ユニバース(Entropia Universe)は、10年前にスウェーデンで作られた。

 IBMとリンデンラボは、アバターの相互の行き来を可能にすることを目指し、オープンソースのソフトウェアに基づく互換性の基準およびプロトコル作りを行っている。

 IBMが構想する将来の「3次元インターネット」では、企業が仮想世界を利用して、人材の募集、会合、社員のトレーニングなどを行えるようになることなども想定されている。(c)AFP/Glenn Chapman