【8月2日 AFP】(一部更新)米司法省は1日、英ブリティッシュ・エアウェイズ(British AirwaysBA)と大韓航空(Korean Air Lines)が旅客・貨物運賃カルテルへの関与を認めたとして、それぞれに3億ドル(約360億円)の罰金を科したことを明らかにした。

 米司法省の反トラスト局は航空業界を対象とした大がかりな調査を継続中だが、調査の過程で航空会社が司法取引に応じたのは今回のBAと大韓航空が初めて。両社は今後も司法当局の調査に協力することで合意している。

 米司法省によると、BAは違法カルテルを行い、英米間の航空券を一定期間、大幅に値下げして販売した疑いがもたれていた。

 一方の大韓航空は、米国からの輸送貨物1キロにつき、燃料費上乗せ分を10セントから60セントにまで引き上げたうえ、米国発韓国行きの旅客運賃でもカルテルを行っていた。

 これについてBA、大韓航空両社は、価格操作容疑を認めたうえで謝罪した。

 BAのウィリー・ウォルシュ( Willie Walsh)CEOは「競争の原理に反する行為は全く容認できるものではないが、残念ながら一部の社員がこれに背いた行為を行ってしまった」と弁明。事件について「非常に遺憾に思う」と述べた。

 大韓航空のアン・ヨンソク(Ahn Yong-Seok)顧問弁護士も株主と顧客に対し謝罪の意を示した。一方で、今回の罰金の支払いは同社の経営に深刻な打撃を与えるものではないと付け加えた。

 BAは今回の事件とは別にも、燃料費の上乗せ額について他社と共謀して価格を決定していた事実を認め、英国の反トラスト当局から1億2150万ポンド(約293億円)の罰金を科されている。これは、同社にとって過去最高額の罰金となる。(c)AFP/Veronica Smith