【10月28日 AFP】(写真追加)大地震に見舞われたトルコ東部ワン(Van)県のエルジシュ(Ercis)で27日、100時間以上がれきの中に閉じ込められていた18歳の少年が救出された。

 トルコのテレビ局は、倒壊した建物のがれきの下から助け出されたアイディン・パラク(Aydin Palak)さんが担架で救急車に運ばれる様子を放映した。エルシジュでは同日早朝にも、19歳の男性が救出されている。

 被災地では雪が降り積もる中、懸命の救出活動が続けられているが、地震発生から数日が過ぎて生存者発見の可能性が著しく低下したことから、アナトリア(Anatolia)通信によると救出活動を切り上げる地域も出ている。

 トルコ災害当局の27日夜の発表によれば、今回の地震の死者は550人、負傷者は2300人に達した。一方、これまでに186人が救出されている。

■支援物資不足、雪のなか外で寝る被災者も

 トルコ政府は当初、海外からの援助は不要としていたが、のちに受け入れに転じた。被災地には米国やイスラエルなどからの支援物資が空路で届き始めている。しかし、被災者の間には支援への失望も広がり始めており、余震で家屋が倒壊する恐れがあるとの警告を無視して、避難用テントを離れ自宅に戻る被災者も出始めている。

 避難所では、狭いテント内に多数の被災者があふれ、雑魚寝を強いられている。夜間の気温は氷点下まで下がるが、屋外のたき火の周囲で眠る被災者もいる。

 支援物資の配給が不公平だとの不満の声もあがっている。自宅が倒壊したという41歳のタクシー運転手は、「あちこちの援助物資配給の列に並んだが、いまだに何も受け取れていない」と語った。(c)AFP/Fulya Ozerkan

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