【2月28日 AFP】27日にマグニチュード(M)8.8の地震に見舞われた南米チリのミチェル・バチェレ・ヘリア(Michelle Bachelet Jeria)大統領は同日夜、地震後初めて国民に向けて演説した。

 演説のなかで大統領は200万人が地震の被害を受けたおそれがあるると語ったが、上空から被災地を視察した印象から、被害規模の正確な把握は困難との見方を示した。

 同国のエドムンド・ペレス・ジョマ(Edmundo Perez Yoma)内相は27日夜(日本時間28日朝)、この地震の死者は少なくとも214人になったと発表したが、正確な死傷者の数をつかむのは難しいと述べていた。その後政府当局者が死者は300人を超えると語っている。

 チリでは各地でビルや橋が倒壊し、高速道路も各地で寸断され、首都サンティアゴ(Santiago)は停電し、通信も途絶している。全国15州のうち6州が激甚災害地域に指定された。首都の国際空港もターミナルに大きな被害を受けて閉鎖されており、民間航空便の再開は来月2日以降になる見通し。

 米地質調査所(US Geological SurveyUSGS)は、マグニチュード4.9~6.9の余震を51回以上観測している。隣国のアルゼンチンではチリの本震発生から数時間後、チリで地震を起こしたものとは別の活断層でマグニチュード6.1の地震が発生し、2人が死亡している。(c)AFP/Paulina Abramovich