【12月3日 AFP】インド・マディヤプラデシュ(Madhya Pradesh)州ボパール(Bhopal)は3日、米化学大手ユニオンカーバイド(Union Carbide)の農薬工場から漏出した有毒ガスで1万人が死亡した世界最悪の産業事故から25年を迎えた。

 事故の生存者や支援者らは同日、被害者を追悼し事故の責任を問う行進を行い、汚染の除去を行わない州政府に怒りの声を上げた。

 1984年12月3日、工場から大量のイソシアン酸メチルが漏出し、3日間で約1万人が犠牲になった。インド医学研究評議会(Indian Council for Medical Research)の調査報告では、後遺症などによる死者も含め、これまでに2万5000人が死亡したとされる。

 今週初めに発表された各種研究結果によれば、工場周辺の地下水や土壌の汚染濃度は依然高く、3万人以上が汚染地域に暮らしている。慢性疾患の報告は政府統計で10万人、出生異常も多数報告されている。

 ユニオンカーバイドは99年に米化学大手ダウ・ケミカル(Dow Chemical)に買収されたが、同社は89年にユニオン社とインド政府との間で合意された4億7000万ドル(約400億円)の賠償金支払いで、「現存または将来発生するあらゆる(損害賠償)問題は解決済み」との立場を取っている。(c)AFP/Sonma Luxmi