【7月25日 AFP】インド政府は24日、モンスーン期の降雨が少なく稲作に影響が出ているとして、食糧不足を回避するため食糧の輸出を禁止すると発表した。

 シャラド・パワル(Sharad Pawar)農相は議会での農業生産に関する議論で、6-9月のモンスーン期の雨量が全国で不足しており、主要農業州である北部のパンジャブ(Punjab)州やハリヤナ(Haryana)で田植えが遅れていると述べた。降水量は前年と比べて全国で19%、北西部で38%、北東部で43%少なくなっている。

 同国の耕作可能な1億4000万ヘクタールの土地の60%が水源を雨に頼っているため、モンスーン期の雨量は死活問題だ。

 インドでは依然、11億人の国民の3分の2近くが農業で生計を立てており、農業部門は国内総生産(GDP)の16%近くを占めている。

 ただ、農業従事者への補助が行われているにもかかわらず、農業部門の近年の平均成長率約4.5%に対し、2008年度(08年4月-09年3月)の成長率は1.6%に過ぎなかった。

 インド政府は3日、麦90万トンの輸出を撤回し、国内備蓄に回す方針を明らかにしている。(c)AFP