【9月6日 AFP】(一部更新、写真追加)エジプトのカイロ(Cairo)北部で6日、がけ崩れで住宅数十棟が岩石の下敷きになり、少なくとも24人が死亡、36人が負傷した。エジプトの救急当局が発表した。

 治安当局高官によると、市内Deweka地区を見下ろすMoqattam丘で午前8時50分(日本時間午後3時50分)、巨大な岩石が複数落下した。落石の原因はわかっていない。

 岩石が大きいため救助作業は難航している。救助隊員はクレーンなど岩石を引き上げる重機が現場に到着するのを待たざるを得なかった。

 がけ崩れがあったのは低所得者が多く住む人口過密地区で、現場のAFP記者によると、現場は行方不明者や親類を探す人びとで混乱状態になっているという。

 れんが造りの自宅が岩石の下敷きになったJamal Badr(32)さんは、「2年前に当局が落石の危険性を注意していたが、今日それが起きてしまった」と話した。

 エジプトの建築物の安全性にはこれまでにも問題が指摘されていた。無許可で階層の増築など、建築基準違反が原因だとされている。7月にもナイル川下流のデルタ地帯(Nile Delta)で3階建ての建物が倒壊し、5人が死亡した。

 エジプトでは、1996年にカイロの住宅地域ヘリオポリス(Heliopolis)で建物が崩落し、64人が死亡した事故を受けて、法律に違反する建築業者に対する罰則の強化を盛り込んだ法律が成立している。(c)AFP