【8月31日 AFP】1週間にわたってカリブ海諸国で猛威を振るい死者81人を出したハリケーン「グスタフ(Gustav)」は31日、カテゴリー3に勢力を弱め、メキシコ湾(Gulf of Mexico)を米国に向けて移動している。

 ニューオーリンズ(New Orleans)のレイ・ネーギン(Ray Nagin)市長は同日、2005年に約1800人の死者を出したハリケーン「カトリーナ(Katrina)」の大惨事の再現を阻止すべく、「今世紀最大の嵐」と呼ぶ「グスタフ」の上陸を前に、市からの避難命令を発令した。そのため、市外へと向かう道路は、避難する住民で渋滞している。

 キューバでは、ハリケーン「グスタフ」の直撃で、住民20万人が暮らすIsle of Youthでは建物が倒壊したり屋根が飛ぶなどの被害を受け、地域社会は暗闇に覆われた。その後「グスタフ」は、200万人以上が暮らすキューバ本島のハバナ(Havana)の南西部に上陸した。

 ハリケーン「グスタフ」は、徐々に勢いを弱めており、現在はカテゴリー3に弱まっている。ハイチやドミニカ共和国、ジャマイカではハリケーンよる死者が出たものの、キューバでは死者はでなかった。

 米国立ハリケーンセンター(US National Hurricane Center)は、「グスタフ」がカテゴリー3に勢力を弱めたと発表したものの、31日夜までには水温が高いメキシコ湾上空を通過することで、再びカテゴリー4に発達するおそれがあるとした。

 ニューオーリンズ市では、壊滅的な打撃を与えかねないハリケーンの上陸を前に、市内から避難する住民で市外に向かう道路は渋滞している。(c)AFP