【7月17日 AFP】今年5月12日に発生した四川大地震によって四川盆地(Sichuan Basin)の一部に地震応力が蓄積されたため、居住地域に近い数か所の断層で、大規模な余震が発生するおそれがあるとする米地質調査所(US Geological Survey)の研究結果が、6日の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された。

 同研究所はこの研究で、大規模地震によって近隣の断層にかかる圧力が増す「応力伝達」によって、余震が発生する可能性がある場所の特定を試みた。

 四川大地震では、龍門山(Longmen Shan)と四川盆地の間の境界線を南西から北東に走る断層が裂け、最大で9メートルも地面がずれた。

 この境界線の南側の地域は地層が複雑で、「走向移動断層」と呼ばれる水平に移動する断層と、「衝上断層」と呼ばれる上下方向に移動する断層が入り組んでいる。

 専門家によると、四川大地震によって境界線の北東端付近の断層数か所では圧力が緩和され、省都の成都(Chengdu)南東を走る衝上断層の応力も減少したが、数百万人が暮らしている成都の南西地域では逆に境界線に近い雅安(Ya'an)など数か所の断層で応力が蓄積されているという。

 研究チームを率いる米地質調査所の研究員、トム・パーソンズ(Tom Parsons)氏はAFPに対し、世界各地の前例から考えると、これらの断層での応力増加で、少なくとも大規模な余震が起きる可能性はあると指摘する。

 ただし、大規模な余震が起きる時期や規模は不明で、本震が起きた直後に発生する場合もあれば、数年後に起こる場合もあるという。本震の7-10年後というのが平均的だという。

 例えば1999年、トルコ北西部デュズジェ(Duzce)でマグニチュード7.1の地震が発生した直後、同国イズミット(Izmit)でもマグニチュード7.4の地震が起きた。一方、2004年にマグニチュード9.3を記録したインドネシア・スマトラ島(Sumatra)沖地震・津波の場合は、数か月後にマグニチュード8.7の地震が発生している。

 四川大地震の場合、大規模な余震は数回しか起きていないが、これには2つの可能性がある。1つは震源地周辺地域では応力が蓄積されていない可能性、もう1つはこれから数回の大規模余震が発生する可能性だという。(c)AFP