【11月25日 AFP】バングラデシュ政府は25日、サイクロン「Sidr」による経済的影響が「甚大」だとしながらも、その大きさを見積もるのは時期尚早だとの見方を示した。

 ミルジャ・アジズル・イスラム(Mirza Azizul Islam)財務・商業担当顧問はAFPに対し、「サイクロンによる経済損失は甚大だ。現在も(被害規模を)見積もっている最中だ」と語った。

 同国のシンクタンク、政策対話センター(Center for Policy DialogueCPD)は最初の損失推計として、15億ドル(約1624億円)超を見積もった。
 
 国軍によると、少なくとも住宅36万棟が全壊し、80万棟が半壊したという。農地160万ヘクタール、家畜46万頭が失われたほか、道路650キロ以上が流され、学校1300校以上、小さな橋や下水管1600か所が崩壊した。また、エビ養殖場約1万か所が全壊し、欧米への輸出激減が予想されるという。

 2006年7月から2007年6月までの1年間に同国冷凍魚介類の輸出額は5億1200万ドル(約554億円)だった。輸出部門としては同国2位で、50万人が従事している。

 同国は4か月間の食料供給事業を開始した。これにより、少なくとも2500万世帯が毎月15キロの米を受けとる。

 CPDのRahman氏は「作物が被害を受けたことで、政府は100万トン以上の米を輸入しなくてはならない。これにより、国の経済成長全体、歳出と外貨準備高のバランスに影響がでるだろう」と指摘した。

 同国はまた、サイクロンで家を失った世帯に対し、1万タカ(約1万6000円)の支給を計画している。(c)AFP/Shafiq Alam