【6月19日 AFP】米オハイオ(Ohio)州で、知的障害のある女性とその子どもが、2年以上にわたり地下室でヘビやピットブル犬と一緒に住まわされ、奴隷のような扱いを受けていたことが明らかになった。米検察当局が18日、発表した。

 被害女性がキャンディーバーを盗んだことがきっかけで事件は発覚した。女性は警察に対し、同居人が「自分に意地悪をする」から、家に帰るより刑務所に入った方がましだと供述したという。同居人ら3人が、人身売買の容疑で逮捕された。

 被害女性の名前は公表されていない。検察によると、女性は2011年5月、オハイオ州にある狭い2寝室付き住宅に引っ越してくるようそそのかされた。入居後は、命令に従わないと子どもに危害を加えたり、子どもを女性から引き離したりすると繰り返し脅されたという。

 親子は当初、施錠され、飼われているイグアナが歩き回る部屋のセメントの床で眠るよう強制された。検察によると、容疑者らはピットブルやヘビをけしかけて親子を脅し、赤ちゃん監視用のモニターで見張っていた。

 同居人のジョーディー・キャラハン(Jordie Callahan)容疑者(26)とジェシカ・ハント(Jessica Hunt)容疑者(31)は、鎮痛剤の処方箋を得るため女性に重傷を負わせたことが、少なくとも3回あったとされる。

 女性は家事に加え、毒ヘビや重さが60キログラム近いパイソンを含む動物たちの世話も命じられ、女性の子どもはその間、部屋に監禁されていた。また、政府給付金のカードを奪われ、給付金が女性の手に渡ることはほとんどなかったと検察は述べている。

 食事も脅迫の手段として使われた。親子には缶詰や、キャラハン容疑者とハント容疑者、ハント容疑者の4人の子どもたちの食べ残ししか与えらなかった。イグアナの餌として果物や野菜を渡されていたが、女性の子どもにこれらを与えてはいけないと命じられた。子どもは丸1日何も口にしていないと女性が抗議したところ、嫌がらせとして食事の皿を持ってきて犬に餌を与えたこともあったという。

 事件に関連し、ダニエル・ブラウン(Daniel Brown)容疑者(33)も逮捕された。(c)AFP