【5月23日 AFP】(一部更新)米連邦捜査局(FBI)は22日、多数の死傷者を出した4月の米ボストン・マラソン(Boston Marathon)爆破事件に関連して事情聴取していた男性をFBI捜査員が射殺したと明らかにした。

 現地メディアは、射殺された男性はボストン・マラソン爆破事件の容疑者で死亡したタメルラン・ツァルナエフ(Tamerlan Tsarnaev)容疑者とともに、未解決の殺人事件に関与していたことが分かったと報じている。

 FBIによると、男性は22日にフロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)で事情聴取を受けていた際、「暴力的な争い」を始めたため、捜査官に射殺された。捜査官は負傷したものの、命に別条はないという。FBIは声明で、FBI捜査官1人とマサチューセッツ(Massachusetts)州警察官2人、他の当局者1人で事情聴取を行っていたと説明したが、詳細は明らかにしていない。

 FBIは射殺された男性の名前は明らかにしていないが、地元紙オーランド・センチネル(Orlando Sentinel)はイブラヒム・トダシェフ(Ibragim Todashev)さん(27)だと報じた。

■2011年の殺人事件に関与か

 地元メディアが捜査官らの話として伝えたところによると、トダシェフさんは3人が犠牲になった殺人事件に関与したという調書にサインしようとした時、ナイフでFBI捜査官に襲いかかったという。

 地元メディアによると、この殺人事件は米同時多発テロ事件からちょうど10年後の2011年9月11日、ボストン(Boston)郊外のウォルサム(Waltham)で発生した。3人の遺体はほぼ頭部が切り離され、マリフアナと数千ドルの現金に覆われた状態で発見された。

 NBC系列の地元のテレビ局WESHは、トダシェフさんとツァルナエフ容疑者はドラッグを得る目的でブレンダン・メス(Brendan Mess)さん(25)、ラファエル・テケン(Raphael Teken)さん(37)、エリック・ワイスマン(Eric Weissman)さん(31)の3人を襲い、口封じのために殺害したと報じている。

 トダシェフさんはボストン・マラソン爆破事件には関与していないとNBCは報じているが、トダシェフさんの友人クーン・タラミフ(Khusn Taramiv)さんはWESHに、FBIはボストン・マラソン爆破事件が起きてからトダシェフさんに関心を持ち始めたと話した。

 トダシェフさんは、ボストン・マラソン爆破事件のタメルラン・ツァルナエフ容疑者の友人だったと報じられている。2人はいずれもボストン(Boston)在住で、共通の趣味の格闘技を通じて知り合ったという。(c)AFP