【5月10日 AFP】米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)で、約10年前に行方不明となった女性3人が保護された事件で、米検察当局は9日、誘拐・監禁した女性らに暴行を加え流産させた罪で、容疑者の男に対する死刑求刑を目指していると発表した。

 クリーブランドの自宅で女性らを10年間にわたり監禁していたとされる元バス運転手で無職のアリエル・カストロ(Ariel Castro)容疑者(52)は、誘拐と強姦(ごうかん)の罪ですでに訴追されている。9日の初出廷では、保釈金800万ドル(約8億円)での勾留が命じられた。

 だが同州クヤホガ(Cuyahoga)郡のティモシー・マギンティー(Timothy McGinty)検察官は、同容疑者に対しさらに重い罪での訴追を目指していると語った。「全ての性的暴行と強姦、誘拐の全日数、全ての重暴行、全ての殺人未遂に加え、(容疑者自身が妊娠させた)被害女性を流産させるという加重殺人を漏らさず追及していくつもりだ」

 カストロ容疑者は監禁中に妊娠した女性のうち、少なくとも1人を流産させたとされる。6日に女性らが救出された際には、監禁中に生まれた6歳の少女も保護された。

 マギンティー検察官によると、オハイオの州法では誘拐事件で起きた加重殺人には死刑が科されることになっている。検察当局は現在、「死刑に該当する容疑についても吟味していくための正式な手続き」を行っているという。(c)AFP