【5月10日 AFP】バングラデシュの特別法廷は9日、1971年の独立戦争時に少なくとも120人の農夫が殺害された大量虐殺を指揮した罪などで、イスラム政党幹部に絞首刑を言い渡した。

 イスラム政党「イスラム協会(Jamaat-e-Islami)」のムハンマド・カマルザマン(Mohammad Kamaruzzaman)幹部(61)は、大量虐殺、拷問、誘拐、人道に対する罪で有罪判決を受けた。この判決は、世俗派政党とイスラム強硬派の間で高まっている緊張状態を、さらに悪化させる可能性が高い。

 大勢の人々が詰め掛けた首都ダッカ(Dhaka)の法廷で、裁判長が被告に絞首刑を言い渡す主文を読み上げると、被告人席に座るカマルザマン幹部は「不当な判決だ」と非難の声を上げた。

 ダッカ中心部の交差点に集まって判決の行方を見守っていた数百人の世俗派デモ隊は、有罪判決の知らせを聞いて喜びの歓声を上げた。また、同国の司法長官は裁判所前でAFPの取材に応じ、「被告の憎むべき役割によって、多くの人々が殺害され、また多くの女性が強姦の被害にあった」と話した。

 検察側によると、カマルザマン被告は、悪名高いパキスタン支持派の民兵組織「アルバドル(Al Badr)」の「主任組織者」だった。同組織は独立戦争中に数千人の人々を殺害したとされている。9か月におよんだこの独立戦争で、当時の東パキスタン(現バングラデシュ)はイスラマバード(Islamabad)の中央政府からの分離を勝ち取った。(c)AFP/Kamrul Hasan Khan