【3月16日 AFP】ロシアのボリショイ・バレエ団(Bolshoi Ballet)のセルゲイ・フィーリン(Sergei Filin)芸術監督が酸性の液体を顔にかけられ目などに重傷を負った事件で、治療を行っているドイツの病院の医師らは15日、記者会見を開き、フィーリン氏の視力は仕事に復帰できるほどまでに回復する見込みだと述べた。

 担当医のMartin Hermel氏は、「フィーリン氏の視力は日常生活や仕事に支障が無いほどまで回復することが望める」と述べた。同席したフィーリン氏は、目元を何度も拭いながら「医師らに僕の目が治ったと言われたら、すぐにでも仕事に復帰したい。きっとそうなるだろう」と語った。

 サングラスをかけ、黒いニット帽をかぶり、スカーフを巻いた姿で登場したフィーリン氏は、会見中に何度も笑顔を見せながら、視力を測るために医師らが差し出した指を数えるよう言われたときの様子を実演するなど、順調に回復していることへの安心感をにじませた。

「もちろん、僕にとってすごく喜ばしいことだ。気分は良く、力もみなぎっている」

 医師らによると、フィーリン氏は皮膚に第3度のやけどを負っており、完治した後も深刻なやけど跡が残る見込みだという。(c)AFP/ Anna MALPAS