【3月14日 AFP】パキスタン北西部の部族地域で、パキスタン軍の兵士(25)が18歳の地元少女と交際していたことを理由に、住民らに石打ち刑で公開処刑された。地元当局者が13日、明らかにした。

 事件があったのはアフガニスタンとの国境に近いクラム(Kurram)地区の町パラチナル(Parachinar)。AFPの取材に匿名で応じた地元部族男性によると、処刑されたパキスタン軍兵士は今月10日、墓地でこっそり地元少女(18)と会っていたところを見つかり、拘束されたという。

 兵士が同じ墓地で少女と3回以上会っていたことを認めたため、パラチナルの部族会議は「少女と不道徳な関係を持った」として、兵士を石打ち刑に処すことを決定。40~50人がこの兵士に向かって投石し、死亡させたという。

 パキスタンでは一般的に、家族の許しを得ない異性との関係は不道徳とみなされている。特に北西部の部族地域は保守色が濃く、タリバン(Taliban)やアルカイダ(Al-Qaeda)との関わりがある民兵の拠点にもなっており、この傾向が強い。ただ、家族の「名誉」を守るという名目の下で毎年数百人が命を奪われている同国でも、石打ち刑は非常にまれ。(c)AFP