【11月5日 AFP】米ペンシルベニア(Pennsylvania)州ピッツバーグ(Pittsburgh)の動物園で4日、アフリカに生息するイヌ科の肉食獣リカオンの展示舎内に幼児が転落し、かまれて死亡する事故があった。

 ピッツバーグ動物園(Pittsburgh Zoo and PPG Aquarium)によると、この展示舎にはリカオン11頭がいた。幼児転落後、飼育員が7頭を展示舎外に出すことに成功し、残る4頭を獣医や飼育員らがけん制して幼児から引き離そうとしたが、「リカオンたちは群れの心理状態にあり、追い払うことができなかった」という。中でも「攻撃的」だった1頭は、警察官によって射殺された。

 地元紙ピッツバーグ・ポスト・ガゼット(Pittsburgh Post-Gazette)によると、死亡したのは3歳くらいの男児。同動物園のバーバラ・ベーカー(Barbara Baker)園長が同紙に語ったところによれば、母親と一緒に同園を訪れた際、柵を越えて転落。現場には防護網もあったが、男児は網から転がり落ちてしまったという。

 現在、警察当局と動物園が事件を調査している。

 動物園のウェブサイトはリカオンについて、飼い犬と同程度の大きさだがアンテロープやシマウマ、ガゼルを狩る肉食獣だと紹介している。ワイルドライフ・コンサーベーション・ネットワーク(Wildlife Conservation Network)によると、リカオンは生息地が開発などによって奪われ急激に数を減らしており、野生では現在3000頭ほどしかいないとみられるという。(c)AFP