【9月10日 AFP】5日に仏南部オートサボア(Haute-Savoie)県シュバリーヌ(Chevaline)でイラク系英国人のサード・ヒリ(Saad al-Hilli)さん(50)一家が車に乗っていたところを銃撃された事件で、生き残ったジーナ・ヒリ(Zeena al-Hilli)ちゃん(4)が9日、英国に戻った。

 ジーナちゃんは、死亡した母親のスカートの中に隠れていたところを事件発生から8時間後に救出されていた。一方、頭蓋骨を骨折する重傷を負い、麻酔による昏睡(こんすい)状態に置かれていた姉のザイナブ(Zainab al-Hilli)ちゃん(7)は意識が戻ったが、仏アヌシー(Annecy)のエリック・マイヨー(Eric Maillaud)検察官によると鎮静剤を投与されており、話している内容は聞き取れないという。

 9日、仏警察が現場検証を進める一方で、英国でもヒリさん宅の家宅捜索が行われ、10日も続けられる見通しだ。また英警察は少女らのおじにあたるザイド・ヒリ(Zaid al-Hilli)氏に事情聴取を行った。遺産をめぐってザイド氏とサード氏との間に争いがあったという報道があったが、ザイド氏は警察に出頭し報道内容を否定した。

 仏警察は詳細な現場検証を行うとともに、事件の動機についてはいかなる可能性も排除しないという方針を改めて示した。(c)AFP/Justin Tallis