【8月13日 AFP】中国当局は、2004年以降に中国各地で9人を殺害した疑いのある周克華(Zhou Kehua)容疑者(42)の大規模な捜索を開始した。警察当局や国営メディアが13日、伝えた。

 2004年以降、逃亡を続けながら殺人を繰り返しているとされる周容疑者については、「中国で最も危険な男」とメディアから呼ばれている。

 中国国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、周容疑者は10日午前、中国南西部重慶(Chongqing)の銀行外で発砲し、女性1人を殺害、2人にけがをさせたとされる。さらに同日後刻に発生した警察官1人が射殺された事件にも関与しているとみられている。

 周容疑者は現在も重慶市内に潜伏しているとみられ、多くの警察官が捜索に動員された。重慶の警察当局者は、AFPの電話取材に「現在も周克華容疑者の捜索を続けている。それ以上の詳細は話せない」と語った。

 周容疑者は2004年、重慶の銀行に強盗に入り、7万人民元(約86万円)を盗んだ容疑が掛けられており、その際の発砲で女性1人が死亡した。警察当局は、中国中部の湖南(Hunan)省長沙(Changsha)、同国東部江蘇(Jiangsu)省南京(Nanjing)で起きた発砲事件についても同容疑者の犯行とみている。

 中国の国営新華社(Xinhua)通信によると、重慶市当局は、50万元(約615万円)の懸賞金をかけて情報の提供を呼び掛けている。また市当局は、容疑者が「冷酷で極めて危険」であることから、住民が自ら容疑者を取り押さえないよう注意した。

 中国では銃器の私的所有は基本的に禁止されているため、銃犯罪は比較的珍しいという。(c)AFP