【7月26日 AFP】英マンチェスター空港(Manchester Airport)で24日、11歳の少年がパスポートも航空券も持っていないのにセキュリティーチェックを通り抜け、航空機に搭乗して伊ローマ(Rome)まで行っていたことが明らかになった。空港当局は25日、事実関係の調査を開始したと発表した。

 地元紙マンチェスター・イブニングニュース(Manchester Evening News)が伝えたところによると、リアム・コーコラン(Liam Corcoran)君(11)は24日、搭乗に必要な書類一式を一切見せずに保安検査所を歩いて通り抜け、格安航空ジェット・ツー(Jet2.com)のローマ行きの便に乗り込むことに成功。空港保安職員によるボディーチェックも受けていたが、職員はリアム君がパスポートも搭乗券も持っていないことに気付かなかったという。

 離陸後、上空で乗客が1人きりで乗っている少年に気付き、搭乗員に知らせたことでようやく事件が発覚した。マンチェスター空港当局によると、リアム君はローマ・フィウミチーノ空港(Fiumicino Airport)に到着後、飛行機から降りずにそのままマンチェスターへ引き返し、無事、母親と再会したという。

 報道によればリアム君は、マンチェスター市内のウィゼンショー・シビックセンター(Wythenshawe Civic Centre)で母親と買い物中に行方が分からなくなっていた。空港までは自力で行ったようだという。

 折りしも英国では27日のロンドン五輪開幕を目前に控えて、会場警備を請け負った民間警備会社が必要な警備員数を確保できず、英国軍の兵士4700人が追加投入されるなど治安警備面が問題視されている矢先。マンチェスター空港当局は、搭乗手続きが正しく行われなかったのは事実だが、保安検査はしっかり実施されており、乗客や航空機に危険が及ぶような事態ではなかったと弁明している。(c)AFP