【11月21日 AFP】オウム真理教の地下鉄サリン事件(1995年3月)や松本サリン事件(1994年6月)に関与したとして殺人罪などに問われ、1審、2審で死刑判決を受けた同教団元幹部、遠藤誠一(Seiichi Endo)被告(51)の上告審判決で、最高裁は21日、被告側の上告を棄却する判決を言い渡した。

 オウム真理教内部組織の「厚生省大臣」だった遠藤被告は、地下鉄サリン事件で使われたサリンの製造や、松本サリン事件の実行、VXガスや炭疽菌、その他の細菌や毒物の研究に携わっていた。

 NHKによると、金築誠志(Seiji Kanetsuki)裁判長は、製造されたサリンがどのように使われるか知りながら「サリンの製造を主体的に行った」と述べた。

 上告審判決では、10日以内に判決訂正を申し立てが可能だが、これは実務上の法的手続きに過ぎず、事務的な不備の訂正に制限される。このため、オウム真理教による一連の事件の裁判は、事実上、全て終結した。

 松本サリン事件では8人が死亡。地下鉄サリン事件では13人が死亡したほか、多数の負傷者を出した。オウム真理教事件の一連の裁判では、計189人が起訴されている。(c)AFP