【10月2日 AFP】香港高裁は9月30日、外国人メイドの永住権獲得を禁止する法律が、香港の憲法にあたる基本法に違反するとの判決を言い渡した。画期的な判決で、永住権申請が殺到する可能性もある。

 裁判を起こしたのは1986年から香港で家政婦として働いているフィリピン人のエバンジェリン・バナオ・バレオス(Evangeline Banao Vallejos)さん。香港の法律では、外国人は7年間継続して住むと永住権を獲得することができるが、メイドは特例として除外されていた。香港の家庭内労働者は約29万2000人。その大半はフィリピンとインドネシア出身だ。

 香港高裁は、家庭内労働者の永住を禁止する移民法が基本法に違反しているとの判決を言い渡した。

 メイドの永住権に批判的な人は、人口過密な香港に、新たに大量の移民が流入してくる可能性があると述べる。政府を支持するある政党は、判決で、外国人メイドの子どもや家族を含む最高50万人の移民流入が起き、社会福祉費用が数十億ドル規模でかかる可能性があると警告している。

 高裁の外では、裁判支援者グループとメイドの永住権に反対するグループがもみ合いとなった。反対グループ側は、「香港は香港市民のものだ。帰ってくれ」とスローガンをとなえた。(c)AFP/Beh Lih Yi