【9月27日 AFP】米テキサス(Texas)州の死刑制度ではこれまで、死刑囚が最後の食事を自由に選ぶことができたが、前週死刑を執行された白人至上主義者が大量の「ごちそう」を注文したことから、この制度が廃止された。

 ローレンス・ブリューワー(Lawrence Brewer)死刑囚(44)が死刑執行前の最後の食事として注文したのは、フライドチキンステーキ2つ、トリプルベーコンチーズバーガー1つ、チーズオムレツ、大きなボウル一杯のオクラのフライ、(メキシコ料理の)ファヒータ3つ、1ポンド(約450グラム)のバーベキュー。

 同死刑囚はさらにアイスクリーム1パイント(約470ミリリットル)と白パン半斤も注文したが、こちらは食べずに残した。

 白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(Ku Klux KlanKKK)」のメンバー、ブリューワー死刑囚は、1998年に体の不自由な49歳のアフリカ系米国人を殺害した罪で、21日に薬物注射による死刑を執行された。

■今後は他の受刑者と同じ食事に

 この食事にテキサス州上院のジョン・ホイットマイアー(John Whitmire)議員が激怒し、テキサス州刑事司法局宛てに書簡を送付。「死刑執行前の死刑囚の執行日の食事は、ほかの受刑者と同じ食事を与えられるべきだ」と述べた。

 書簡を受け取った同局のブラッド・アームストロング(Brad Armstrong)局長も同意し、23日に発表した声明で「このような便宜はただちに中止する。今後は刑務所内の他の受刑者と同じ食事をとることになる」と述べた。

 テキサス州は米国で死刑執行が最も多い州で、全米の死刑の3分の1が執行されている。

 自らの犯罪を悔いることなかったブリューワー死刑囚の刑執行と同じ日、ジョージア(Georgia)州で、国際的な反対の声や冤罪の疑いがある中、1989年に白人警察官を殺害した罪でトロイ・デービス(Troy Davis)死刑囚(42)の刑が執行された。(c)AFP

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