【7月26日 AFP】ノルウェーで76人が犠牲となった爆破と銃乱射事件で、ノルウェー警察は25日、ことし3月にアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)容疑者(32)を化学薬品の購入をめぐっていったんは捜査したものの、その後捜査を中止していたことを明らかにした。

 ノルウェー司法省・警察保安部(Police Security ServicePST)のトップ、Janne Kristiansen氏によると、警察はポーランドの販売会社に化学薬品を注文したブレイビク容疑者を捜査対象にしたものの、際だった重要性がなく捜査継続の許可を得るには不十分と判断していたという。

 同氏は、「3月に、われわれは50~60人分の名前のリストを入手し、その中にブレイビク容疑者の名前があった。ブレイビク容疑者はポーランドの会社から120クローネ(約1700円)分の買い物をしていた。この会社はほかの化学製品も販売していたので監視下に置かれていた」と公共テレビNRKに語った。

「これらの人物についてなんらかの情報が入っていないか確認し、われわれが持っているほかの情報と関連性がないか確認したが、ベーリング・ブレイビクについての情報は一切なかった。ブレイビク容疑者は、驚くほど法律を尊重した生き方をしていた」(Kristiansen氏)

■ポーランドの会社などから薬品を購入

 これに先立つ同日、ポーランドの国内保安局(ABW)も、ブレイビク容疑者がポーランドの会社に化学薬品を注文していたと発表した。また、ノルウェー政府からの要請で、ABWが事件後にこの会社の所有者から事情を聞いたと述べた。

 ABWのPawel Bialek副長官は、ブレイビク容疑者はほかの国からも化学薬品を多く購入しており、ブレイビク容疑者の計画にとってポーランドの会社が販売した化学薬品が非常に重要だったわけではないと述べた。

 ポーランドから購入された化学薬品は、ブレイビク容疑者がネットに掲載した1500ページの宣言文の中に登場するものと似ていたという。ブレイビク容疑者の宣言文によると、同容疑者は2010年12月に10ユーロ(約1100円)で硝酸ナトリウム300グラムを購入していた。

 宣言文でブレイビク容疑者は硝酸ナトリウムについて爆弾の主な点火薬として使えると述べ、計画を隠すためにヘラジカ肉の保存に使うと説明するつもりだと記していた。硝酸ナトリウムは、ヘラジカ肉の保存に一般的に使われている薬品でもある。

 ブレイビク容疑者はさらに、この会社が治安機関の監視下に置かれるおそれがあるので、注文をしたことを後悔していると付け加えていた。(c)AFP