【4月12日 AFP】米国と国境を接するメキシコのタマウリパス(Tamaulipas)州サンフェルナンド(San Fernando)周辺の4か所で多数の遺体が埋められているのが見つかり、7日以降これまでに少なくとも88人の遺体が収容された。麻薬組織の抗争にからむ犠牲者とみられている。

 10日に16人の遺体が掘り出され、遺体の収容作業は終了した。サンフェルナンドから米国との国境までは約160キロ。メキシコ軍によると、6日に軍が拘束した麻薬関連の容疑者の供述から集団埋葬が明るみに出た。1地域内の集団埋葬としてはメキシコ史上最多の遺体数となった。

 この容疑者によると犠牲者の中には、3月24日から29日の間に誘拐された長距離バス2台の外国人乗客が含まれていると言う。容疑者は、埋葬されていた遺体のうち43人の殺害と死体遺棄への関与を認めている。

 今回の集団埋葬地との関連で当局はこれまでに少なくとも16人を拘束した。現時点で当局は麻薬組織との関連を指摘していないが、メキシコ国内には7つの大規模な麻薬組織が存在し、メキシコ北東部では米国への麻薬の密輸ルートをめぐり組織間の激しい抗争が繰り広げられている。(c)AFP