【9月30日 AFP】中国国営新華社(Xinhua)通信は30日、中国当局に拘束されていた日本の準大手ゼネコン「フジタ(Fujita)」の日本人社員4人のうち、高橋定(Sadamu Takahashi)さん(57)を除く3人が釈放されたと報じた。日本の外務省も釈放の事実を確認した。

 フジタの社員たちは前週24日、河北(Hebei)省の軍事管理区域に侵入し、違法にビデオ撮影していた疑いで中国当局に拘束されていた。

 新華社によると、3人は中国の法に抵触したことを認めた後、釈放されたという。しかし、高橋さんは依然、取り調べを受けている。

 在北京日本大使館の職員はAFPの取材に対し、前日4人に日本領事が面会した際に釈放の話はなかったと話した。時事通信(Jiji Press)によれば、丹羽宇一郎(Uichiro Niwa)駐中国大使は30日午前、中国外務省から3人の釈放について通知を受けたという。中国外務省および4人を拘束した石家荘(Shijiazhuang)市国家安全当局は、談話を発表していない。

 フジタによると4人は、第2次大戦中に旧日本軍が遺棄した化学兵器処理事業に関連する調査のため石家荘市を訪れていた。

 今回の釈放で、沖縄県尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島)沖で起こった中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突に端を発した日中間の緊張が緩和へと向かうことが期待される。(c)AFP