【8月31日 AFP】オランダ・アムステルダム(Amsterdam)のスキポール(Schiphol)空港で30日、米シカゴ(Chicago)発のユナイテッド航空(United Airlines)機で到着した男2人が、テロ攻撃の予行演習をしていた疑いで逮捕された。

 スキポール空港の所持品検査官は「やけに服を着込んでいた」ために、2人を止めた。米ABCニュースによると検査官はその後、現金で7000ドル(約60万円)を所持しているのを見つけ、さらにかばんを開けて、テープで瓶にくくりつけた携帯電話とカッターなどの不審物を発見した。

■機内持ち込み禁止のものはなし

 内訳は、胃腸薬の瓶1本にテープで巻き付けられた携帯電話1台、巻き付け合った携帯電話3台、ひと固めに巻いた時計数個だったが、爆発物はなかったという。

 米当局では、男たちがテロ計画の一環として、空港のセキュリティを試していたという見方を発表した。しかし逮捕から数時間後、これとは食い違う情報も流れている。

 2人の逮捕を最初に報じたABCは、容疑は「テロ攻撃の準備」で、米当局が逮捕を要請したと伝えた。米国土安全保障省もAFPの取材に対し、搭乗した男2人の荷物の中に「不審物」が入っていることを、同省からオランダ当局へ伝えたと答えた。一方でオランダでは、自国の司法警察の要請で逮捕したとしか発表していない。
 
 匿名の警察関係者は、逮捕された2人はどちらも、機内持ち込みが禁止されている物は所持していなかったと述べている。

■イエメンに電化製品や医薬品を持ち帰る途中だった?

 ABCが報じた男2人の氏名は、アフメド・モハメド・ナセル・スーフィー(Ahmed Mohamed Nasser al-Soofi)容疑者とヘザム・ムリシ(Hezam al-Murisi)容疑者で、スーフィー容疑者はイエメン出身だとしている。また米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)も、オランダ警察関係者の話として、2人ともイエメン系の人物だと報じている。

 2人はユナイテッド航空908便でシカゴからアムステルダムに到着したが、スーフィー容疑者は最初、アラバマ(Alabama)州バーミンガム(Birmingham)から出発したという報道もある。

 現在のところ詳しい情報が限られているが、2人は誤解によって逮捕された可能性もあるという見方も出ている。米CBSニュースは、2人は互いに無関係で、当局の取り調べはスーフィー容疑者に集中していたと報じた。

 またニューヨーク・タイムズは、スーフィー容疑者のいとこだと名乗る男性の話として、2人は電化製品や薬を国に持ち帰るところで、同じ人物に渡すものをまとめてテープで巻いていたと応じた。この男性はそのようにするのは「われわれの文化だ」と説明したという。(c)AFP