【11月27日 AFP】米軍や米航空宇宙局(NASA)のコンピューターシステムに不法侵入した疑いで米当局が身柄引き渡しを求めている英国人ゲーリー・マッキノン(Gary McKinnon)被告について、英国のアラン・ジョンソン(Alan Johnson)内相は26日、身柄引き渡しは人権侵害にはあたらないとして、被告側から出されていた引き渡し差し止め請求を却下した。却下理由について、同内相は、マッキノン被告の件は英政府による自由裁量処分に相当しないと説明した。

 マッキノン被告は、9.11米同時多発テロ発生後の2001年から2002年にかけて、米政府機関のコンピューター97台に不正侵入した容疑が持たれている。被告は「UFOの実在を証明する証拠を探していただけだ」と主張しているが、米国の裁判所で有罪になった場合、終身刑判決を受ける可能性もある。

 マッキノン被告の家族と弁護団は、英国で行われた公判を通じて、アスペルガー症候群(知的障害を伴わない自閉症の1種)である被告が米国に引き渡されれば、精神的ダメージは大きく、自殺を図る可能性もあるとして、引き渡しの差し止めを求めていた。(c)AFP/Trudy Harris