【11月23日 AFP】イエメンで日本人技術者の真下武男(Takeo Mashimo)さん(63)が地元部族民に拉致された事件で、同国サヌア(Sanaa)州のノーマン・ドゥウェイドゥ(Numan Duid)知事は22日、真下さんが国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)に拘束されたとの報道を否定した。イエメン国防省のウェブサイトに発表された声明のなかで明らかにしたもので、武装集団が真下さんの身柄を他州に移したとの報道についても、確証はないと述べた。

 真下さんは首都サヌア北東のアルハブ(Arhab)で15日、地元部族の武装集団に身柄を拘束された。部族関係者は21日、真下さんはアルカイダに拘束された後、サヌア東方のマーリブ(Maarib)地域へ連れ去られたと語っていた。

 地元部族関係者などが解放交渉にあたっているが、武装集団は、解放の条件として、警察が拘束している仲間の男性(22)の解放を求めている。イエメンの消息筋によると、この男性はイラクで米軍に1年間拘束されていたこともあるという。

 ドゥウェイドゥ知事は、州当局は真下さんの居場所を把握しており、解放交渉も進んでいると述べた。「前向きな兆候」も出ているという。また、アルカイダ犯行説が出ていることについては、「当局が要求をのむよう圧力をかけるために犯人側が流したもの」との見方を示した。(c)AFP