【10月11日 AFP】イランの報道によると、17歳の時に乱闘相手を刺殺したとして死刑判決を受けていた男が、被害者の両親によって11日、絞首刑に処せられた。

 Behnoud Shojaie受刑者は、2005年8月に乱闘でEhsan Nasrollahiさん(17)を刺殺した罪で有罪判決を受けた。

 イラン学生通信(ISNA)は、テヘラン(Tehran)市内のエビン(Evin)刑務所で「Ehsan Nasrollahiさんの両親が自らの手で死刑を執行した」と伝えた。

 イランのマハムード・ハシェミ・シャハルディ(Mahmoud Hashemi Shahroudi)前司法府代表は前年6月、Shojaie受刑者の死刑執行を延期し、イスラム法(シャリア)のもとで同受刑者に恩赦を与える機会を被害者遺族に提供していた。しかし、遺族は恩赦を拒否した。

 シャリアのもとでは、被害者の遺族は賠償金を受け取って、受刑者に対する死刑判決を禁固刑に減刑することができる。

 Shojaie受刑者の事件は国際的な注目を集めており、イラン国内の人権団体も死刑の執行停止を強く求めていた。イラン国会では現在、若者による犯罪への刑罰を緩和し、殺人を犯した未成年者に死刑判決を出すことを困難にする法案が審議中だった。

 司法当局高官のFakhredin Jafarzadeh氏は、ISNAに対し、「減刑のため最後の一瞬まで努力を続けたが、残念なことに無駄に終わり、死刑が執行された」と語った。

 イランは、成人前に犯した罪で死刑にすることを禁じた国連(UN)の「子どもの権利条約」の署名国。人権団体が今年2月に発表したところによると、イランでは過去2年間で17人が18歳未満当時に起こした犯罪で死刑を執行されている。(c)AFP/Aresu Eqbali