【10月2日 AFP】脱獄の手段としてよく聞くのはシーツでロープを作ったり、壁に穴を開けたりするやり方だが、米ニューヨーク(New York )州の刑務所の服役囚がこのほど、はるかに簡単な方法で脱獄に成功した――「出口はどっち?」と尋ねたのだ。複数の米メディアが1日伝えた。

 ロナルド・タックマン(Ronald Tackman)受刑者(56)は、別件の連続強盗罪で出廷するため、9月30日に刑務所からニューヨーク市内の刑事裁判所に移送された。

 ところが、スーツにネクタイ姿のタックマン受刑者を見かけた裁判所員が、弁護士と勘違い。「先生、こんなところでどうなさったのですか?」と聞いた。

 タックマン受刑者は、まったく動揺することなく「出口はどちらかね」とこの所員に尋ね、ロビーに出る道順を教えてもらうと、裁判所の玄関から堂々と歩いて出て行ったという。

 その後タックマン受刑者はマンハッタン(Manhattan)に暮らす母親(81)の元を訪れ、服を着替えるとすぐに立ち去り、消息を絶った。「帰ってきた息子はずいぶんと着飾っていた。てっきり釈放されたのかと思っていました」と母親は地元NY1テレビに語った。

■実は「変装の名人」

 実はタックマン受刑者は「変装の名人」として知られ、過去に帽子やサングラス、おもちゃの付け鼻、ニセ拳銃などを活用していた。強盗罪で服役するため刑務所に移送されていた1985年には、石けんで作った偽の拳銃を使って看守を人質にとり逃亡しようとした。また、拳銃の形をしたライターで強盗を働いたこともあった。

 タックマン受刑者の弁護士は、「彼は危険人物ではない。強盗罪で終身刑となる可能性もあったため、パニックに陥って逃亡したのだろう」と話している。

 ちなみに、タックマン受刑者が逃亡に成功した翌日の10月1日は、同受刑者の56歳の誕生日だった。(c)AFP