【9月21日 AFP】フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領を含む主要閣僚らが数回にわたって銃弾入りの脅迫状を送りつけられていた事件で仏捜査当局は20日、51歳の無職の男を逮捕した。

 脅迫状は「Cell 34」と名乗る団体からのもので、不法移民の国外退去の停止や、服役中の極左武装グループ「Action Directe(直接行動)」指導者の釈放などを要求しており、警察は極左組織の犯行だとみていた。

 捜査当局が20日、仏南部エレピアン(Herepian)の銃愛好クラブに所属する容疑者宅を捜索したところ、男が「Cell 34」のメンバーであることを示す文書や、脅迫状に使われたものと似た封筒が見つかったという。サルコジ大統領とほかの閣僚に送りつけられた4通の手紙から採取した資料のDNA鑑定からこの男が捜査線上に浮上していた。容疑者の名前は「ティエリ・J(Thierry J.)」とのみ明かされている。

 同容疑者の身柄は近くパリ(Paris)にあるテロ対策機関に送られる見込み。

 サルコジ大統領は今月に入り、捜査当局にこの事件の徹底捜査を命じていた。一方で捜査における警察の強圧的な尋問を批判する声も上がっている。(c)AFP