【9月9日 AFP】ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は8日、海賊にハイジャックされたとされる貨物船「アークティック・シー(Arctic Sea)」がロシア製の高性能対空ミサイルS-300をイランに運ぼうとしていたとの疑惑について、「まったく真実ではない」と強く否定した。

 同国の検察当局の調査委員会はAFPに対し、貨物船を調査したところ、正規の積み荷である材木しか積載していなかったと発表した。

 ロシア人乗組員を乗せたマルタ船籍の貨物船「アークティック・シー」は7月23日、スウェーデン沿岸付近の海域でハイジャックされ、8月18日に大西洋上でロシア海軍に保護された。事件が多くの船が行き交う欧州航路で発生したことや、保護された乗組員がロシアに送られたことから、秘密の積み荷があったのではないかとの憶測が飛んでいた。

 英サンデー・タイムズ(Sunday Times)紙は6日、ロシアとイスラエルからの情報として、同貨物船がロシア製の高性能対空ミサイルS-300をイランに運ぼうとしていたことをイスラエルの対外特務機関モサド(Mossad)が突き止め、ロシア当局と協力して輸送を阻止したと報じた。(c)AFP