【8月21日 AFP】ドイツ検察当局は20日、同国の高級車メーカー・ポルシェ(Porsche)のヴェンデリン・ヴィーデキング(Wendelin Wiedeking)前最高経営責任者(CEO)とホルガー・ヘルター(Holger Haerter)元最高財務責任者(CFO)がインサイダー取引に関与した疑いがあるとして、同社本社を家宅捜索した。同社が明らかにした。

 ポルシェは声明で情報漏えい容疑を否定したが、迅速な問題解決のため、当局の捜査に全面的に協力する姿勢を示した。

 ヴィーデキング前CEOの下でポルシェは、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の51%の株式を取得。さらに完全な経営権獲得を狙い、オプション取引を使って保有割合を増やそうとした。

 この過程でVW株は急騰し1株1000ユーロ(約13万4000円)以上で取引される場面もあった。VWは一時、時価総額で世界最大の企業となり、ポルシェは巨額の利益を計上したが、その後資金繰りが悪化しポルシェの試みは失敗。VW株の20日の終値は144.31ユーロ(約1万9000円)だった。

 4年にわたり主導権が争われたドイツ自動車業界の再編劇は13日、両社が2011年までに経営統合する計画を発表したことで幕を閉じていた。(c)AFP