【7月20日 AFP】166人が殺害された2008年11月のインド・ムンバイ(Mumbai)同時襲撃事件の実行犯として、唯一生存したまま拘束、起訴されたパキスタン人、モハメド・アジマル・カサブ(Mohammed Ajmal Kasab)被告(21)が20日の公判で、無罪主張から一転、罪を認めた。

 カサブ被告は以前無罪を主張したムンバイの特別刑事法廷で、「告白したい。わたしは有罪です」と述べ、判事や検察官、自らの弁護団まで全員を驚かせた。

 その後、被告は襲撃の過程や、パキスタンからほかの9人の襲撃犯とともにマハラシュトラ(Maharashtra)州の州都ムンバイに到着するまでの詳細などを説明した。

 ウジワル・ニカム(Ujjwal Nikam)検察官は閉廷後、報道陣に対し、4月に裁判が開始して以来、134人が被告に不利な証言をしており、被告自身が「すべてばれている」ことを悟ったのではないかと語った。
 
 カサブ被告が有罪を認めたことを歓迎したアショク・シャバン(Ashok Chavan)マハラシュトラ州首相は、報道テレビ局NDTVに「11月26日の襲撃犯は全員、絞首刑にされるべきだ」と述べた。

 襲撃された場所のひとつ、チャトラパティ・シバジ(Chhatrapati Shivaji)駅で手投げ弾の破片によって負傷した35歳の男性は、治療の間にウエーターの職を失ったと述べ、「彼(カサブ被告)がやったことは誰もが知っている。罰を受けるべきだ」と語った。
 
 ムンバイ同時襲撃事件の10人の実行犯のうち、カサブ被告以外の9人は死亡した。(c)AFP/Phil Hazlewood