【5月31日 AFP】フランス・パリ(Paris)中心部の高級宝飾店に30日、単独犯の武装強盗が押し入り、約660万ユーロ(約8億9000万円)相当の宝石類を強奪して逃走した。

 強盗の被害にあったのは、パリのリッツホテル(Ritz Hotel)近くにある高級宝飾ブランド「ショパール(Chopard)」の店舗。

 パリ警察のオリバー・ルボン(Olivier Lebon)報道官によると、犯人は50代の男で、背広を着てボルサリーノ風の帽子をかぶり一般顧客を装って防犯ドアを通って店内に入った。その後、拳銃を取り出し、店内のスタッフにショーウインドーに展示されていた宝石を渡すように命じ、宝石を受け取ると徒歩で逃走したという。犯行時間はわずか2分間ほどで「あっという間の出来事」だったという。

 別の捜査関係者は「その男はきちんとした身なりで、ごく普通の客のように見えた。店に入ったときは覆面も付けていなかった。事件発生時刻は午後1時(日本時間同日午後8時)ごろだった」と話している。近隣の店のスタッフは、犯行当時、襲われた店の様子は外から見る限り普段と全く同じだったと報道陣に語った。

 別の情報筋によると、犯人は展示されていた宝石全部を持ち去ったわけではなく、拳銃でスタッフを脅し、宝石を12個よこせと命じたという。

 ショパールは高級時計と宝石のメーカーとして知られ、世界各国の首都の多くに支店を構えている。カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)最高賞のパルム・ドール(Palme d'Or)のトロフィーの製造元でもある。(c)AFP