【3月14日 AFP】米カリフォルニア(California)州の司法当局は12日、2007年に薬物の過剰摂取で死亡したプレイボーイ(Playboy)誌の元プレイメイト、 故アンナ・ニコル・スミス(Anna Nicole Smith)さん(当時39歳)の元恋人と医師2人の3人が、スミスさんに中毒性の高い処方薬を過剰投与した疑いで刑事責任を問われることになると発表した。

 同州のエドマンド・ブラウン(Edmund Brown)司法長官が発表した声明によると、スミスさんの元恋人で弁護士のハワード・スターン(Howard Stern)氏と、Sandeep Kapoor医師およびKhristine Eroshevich医師は、3年間にわたり共謀して、スミスさんに「数千錠もの薬物を、大半の場合正当な医療目的なしに、くり返し過剰に投与していた」という。

 両医師は、アヘン剤やベンゾジアザピン系の薬などの規制・非規制の薬物を処方して医師としての倫理義務に違反し、またスターン氏はそのような中毒性の高い薬物をスミスさんに手渡したり投与していたとされる。

 ブラウン司法長官は、13日に訴追・拘留について協議する予定だという。

■親子で薬物過剰摂取で死亡

 スミスさんは07年2月、フロリダ(Florida)州内のホテルで急死。警察の検視により、スミスさんが抗不安剤「メサドン」や抗生物質などの処方薬を併用して服用したことが死因と断定された。

 そのわずか数か月前の06年9月には、息子のダニエル(Daniel Smith)さん(当時20歳)が、スミスさんが女児を出産したバハマに見舞いに訪れた際、同地で薬物の過剰摂取で死亡した。

■石油王との結婚、泥沼の遺産相続

 スミスさんは1994年、ストリップ劇場でダンサーをしていたところ、テキサス(Texas)の石油王J.ハワード・マーシャル(J. Howard Marshall)氏に見初められ結婚。当時、スミスさんは26歳、マーシャル氏は89歳だった。

 マーシャル氏は結婚後14か月で死去したが、同氏の遺産相続をめぐり義理の息子ピアース・マーシャル(Pierce Marshall)氏と法廷で争い、裁判は最高裁までもつれ込んだ。スミスさんもピアース氏もすでに死亡しているが、遺産については現在も係争中だ。

 スミスさんの死亡時の遺言書では、彼女の全遺産は息子ダニエルさんに相続されると記されており、遺産管理人として弁護士のスターン氏が任命されていた。

 遺産問題が解決された際にいちばん利益を得るのは、スミスさんの娘ダニエリン(Dannielynn)ちゃんだ。

■遺児の父親に3人が名乗り出る

 スミスさんが死亡したとき、ダニエリンちゃんの父親は特定されていなかった。

 スターン氏、映画女優ザ・ザ・ガボール(Zsa Zsa Gabor)さんの夫フレデリック・アンハルト(Frederic von Anhalt)氏、元恋人で写真家のラリー・バークヘッド(Larry Birkhead)氏の3人が父親と名乗り出て、父親認知訴訟を起こしたが、DNA鑑定の結果、バークヘッド氏がダニエリンちゃんの実の父親である可能性が99.9999%という結果が出たため、裁判所は同氏を父親と認定した。(c)AFP