【1月3日 AFP】米ワシントンD.C.(Washington D.C.)のレーガン・ナショナル空港(Reagan National Airport)で1日午後、国内線旅客機に搭乗したイスラム教徒の家族連れが安全対策について「不審な会話」をしたとほかの客が訴えたことから、航空会社がこの一行の搭乗を拒否する騒ぎが起きた。ワシントン・ポスト(Washington Post)が2日、伝えた。

 イスラム教徒の一行は、エアトラン航空(AirTran)の旅客機でフロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)の信者用の宿泊施設へ向かおうとしていた。9人の内8人は米国人で、3人は子どもだった。連邦捜査局(Federal Bureau of InvestigationFBI)が事情の聴取を行った結果、事件性は認められず、全員解放された。

 エアトランとFBIは騒動が誤解によるものだったことを明らかにしたが、報道によると同航空が一行を別便に搭乗させることを拒否したため、一行は他の航空会社から航空券を購入しなければならなかったという。

 一行のカシフ・イルファン(Kashif Irfan)さん(34)は、弟夫婦が機内で一番安全な席について交わした会話が若い女性客2人に聞かれ、女性客は客室乗務員にこれを話したと語った。

 イルファンさんは、弟夫婦は空港の安全対策などについても話していたと話すが、弟の唯一の発言は、「この窓のすぐ外にジェットエンジンがある」だったと同紙に述べた。

 CNNテレビのインタビューに対してイルファンさんは、一行は「面倒に巻き込まれないように、『爆弾』や『脅迫』などの単語は軽率に使わないよう注意していた」と語った。

 航空警察やFBIの捜査官について「かなり親切で寛大だった」とイルファンさんは語るが、航空会社の対応については、「FBIの捜査官が別の便に私たちを搭乗させるようエアトラン航空側と話をしたが、誤解が晴れたにもかかわらず、エアトラン航空は私たちの搭乗を拒否した」と非難をぶつけた。(c)AFP