【12月19日 AFP】イラク・バグダッド(Baghdad)で会見中のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領がイラク人記者に靴を投げつけられた事件で、警備担当者がこの左右の靴を、爆発物の有無などを確認するために「破壊」していたことが18日、わかった。

 事件を担当する予審判事のDhiya al-Kenani氏はAFPに対し、靴はイラクと米国の警備担当者が調べた上で、破壊されたと語った。また、靴を投げつけたムンタゼル・ザイディ(Muntazer al-Zaidi)記者(29)の保釈について、身の安全を理由に拒否したことを明らかにした。

 同判事によると、ザイディ氏は自らが行った行為について、イスラム教徒の間では重大な侮辱行為にあたるということを十分に認識していたと述べたという。一方、背後に政治組織がいたり、金銭が絡んでいた可能性は否定しているという。

 ザイディ氏は、公式訪問中の外国首脳に対する攻撃の罪に問われる可能性があり、有罪ならば5-15年の量刑に相当する。「攻撃未遂」の罪ならば1-5年ですむという。

 一方、イラク首相府の報道官は18日、ザイディ氏がヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相に宛てて、許しを請う自筆の手紙を送ったことを明らかにした。謝罪の詳細な内容については明らかにしなかった。(c)AFP