【10月17日 AFP】メキシコ北西部の米国との国境の町ティファナ(Tijuana)の住宅で15日夜、軍と犯罪組織の構成員との間で銃撃戦があり、兵士1人を含む5人が死亡、3人が逮捕された。また、銃撃戦の舞台となった住宅の冷凍庫から男性1人の遺体が発見された。軍高官が16日、明らかにした。

 冷凍庫から発見された遺体は、この犯罪組織に誘拐されたライバル組織の構成員だという。

 メキシコの国境地帯では、麻薬組織同士が対米密輸ルートをめぐって対立を続け、殺人件数が急増するメキシコ国内でも最悪の殺人多発地帯となっている。今年だけですでに3000人以上が殺害された。

 最近の例では、ティファナ近郊のロサリト(Rosarito)では3週間前、地元警察官が襲撃を受け殺害される事件が起きたほか、16日には米テキサス(Texas)州エルパソ(El Paso)と国境を接するシウダーフアレス(Ciudad Juarez)で、頭部を撃ち抜かれるなどして若者3人を含む少なくとも7人が殺害されている。

 2006年12月に就任したフェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)大統領は、3万6000人の軍兵士を動員して麻薬関連組織の取り締まりを開始したが、2年近く経った今も殺人件数は一向に減少する兆しをみせていない。(c)AFP