【8月5日 AFP】ニューヨーク(New York)の路上で殴打される男性、自転車ごと押し倒される男性、そして血まみれになるまで殴られる男性。被害者にとって不幸中の幸いだったのは、これらの暴力行為はすべてビデオに撮影されていた。しかし、暴力行為の当事者である警察官にとって、これは不運だったろう。

 ニューヨーク市警(New York City Police DepartmentNYPD)は、市民らに事件現場をビデオ映像で撮影することを推奨している。しかし、前週、皮肉なことに3件の事件でそのカメラが自らに向けられた。

 1件目は、ニューヨークで行われたサイクリングレースの最中、ボディチェック要員として路上に配備されていた警官の1人が、いきなりレース参加者の男性に自転車ごと体当たりし押し倒した。

 2件目は、路上に押し倒された男性を、2人の警官がさらにこん棒で殴りつけるというもの。

 現場に居合わせた市民がこれらの事件の映像を撮影し、動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」に投稿したが、特に「サイクリングレース」の映像は120万件もヒットした。

 3件目は、ウォルター・ハービン(Walter Harvin)さん(28)が、自宅アパート前で警察官に殴られ血まみれとなったうえ、手錠をかけられたもので、アパートの監視カメラが捕らえていた。デーリー・ニューズ(Daily News)紙によると、現在、警察が映像内容を検証しているという。

 こうした映像の発覚に伴い、地元メディアは、ニューヨーク市警の暴力行為に対する市民の怒りの声を多数掲載。一方、ニューヨーク市警側は、こうしたメディアがビデオ映像の隠し撮りを助長していると主張している。(c)AFP/Sebastian Smith