【8月5日 AFP】南アフリカで4日、与党アフリカ民族会議(African National CongressANC)のジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)議長(66)の汚職をめぐる裁判が始まった。次期大統領として有力視されているズマ議長だが、有罪判決が下されれば大統領就任は不可能になる。

 裁判の行われるピーターマリッツバーグ(Pietermaritzburg)の裁判所前には、ズマ議長の支持者ら数千人が集まった。支持者らは、巨大スクリーンの設置されたステージの前で踊り、汚職事件は政治的に仕組まれたものだと抗議した。

 ズマ議長の裁判に対しては高い関心が寄せられているが、同議長の弁護士が裁判所に訴えを棄却するよう求めたため、裁判はさらに延期される可能性も出ている。

 審理の冒頭、ズマ議長の弁護士は、再起訴の際に検察側が憲法に定められた手順に従わなかったと抗議し、裁判の却下を求めた。

 汚職をめぐるズマ議長の起訴は、2006年に裁判所が棄却した収賄罪での起訴に続いて2度目。06年の裁判で判事は、事件がズマ議長にとって災難だったと述べていた。

 ズマ議長は07年12月、ANC全国大会でターボ・ムベキ(Thabo Mbeki)大統領を破り議長に就任した直後に、再び汚職疑惑で起訴された。ズマ議長の支持者らは、一連の汚職疑惑が政治的な動機に基づいたものだとして抗議を続けている。(c)AFP/Fran Blandy