【6月9日 AFP】マレーシア警察に2月に導入された海賊版DVD探知犬の1頭が、死んでいるのが見つかった。8日のニュー・ストレーツ・タイムズ(New Straits Times)が報じた。海賊版探知犬には、犯罪組織から再三「死刑宣告」を受けていた。

 同紙によると、死亡したのはオス1歳のゴールデンラブラドール「マニー(Manny)」。約1週間前、非公開の保護施設で死亡しているのが見つかったという。

 国内取引・消費者省によると、マニーの死骸は死因究明のためマレーシア・プトラ大学(University Putra Malaysia)に送られた。ある同省高官は、「マニーはまだ任務に就いていなかった。彼の命を狙っていた輩(やから)がいたのではないか」と話している。

 マニーは2月、ブラックラブラドールのパディー(Paddy)とともに、世界初となる同国の海賊版探知犬部隊の仲間入りをした。2頭は米著作権関連団体のモーション・ピクチャー・アソシエーション(Motion Picture AssociationMPAA)から寄付されたもので、4月から活動を開始していた。

 パディーは、訓練が開始される前に、保護施設において、虐待されて大けがをした状態で見つかっている。

 同部隊の1号犬であるラブラドール犬のラッキー(Lucky)とフロー(Flo)は前年、任務開始から5か月間で160万枚もの海賊版ディスクを探知し、海賊版の撲滅に向けためざましい活躍をしたとして、しばしば新聞の第1面を飾った。(c)AFP